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Kくんというおともだちがいます。
Kくんは2歳から私たちの診療所に通ってきてくれていて、もう13年(H25年現在)になります。
そのKくんの診療で気がかりなことがありました。診療に来はじめて随分たつというのに一度もKくんの言葉を聞いたことがないことでした。診療を怖がってお話しをしてくれない子供たちは時々いますが、そんな子供たちでも、待合室のプレイルームで遊んでいる時には会話が聞こえるのが普通ですが、それもありません。それに、診療の時はいつも泣いていたので、発声に問題があるというのでもなさそうです。問診票にもその点についての記載はありませんでした。
そんなある日、お母さんから「うちの子は自閉症なので、上手に診療を受けるのは難しいようです。」とお話しがありました。
そのころ私たちふなびき歯科のスタッフは、特に障害児の診療のスペシャリストというわけではありませんでした(もちろん今でもそう思ってはいませんが)ので、最初から相談を受けていたとすれば、おそらく市の歯科医師会の歯科衛生センターに紹介して診ていただく事になっていたと思います。
今となっては、ずいぶん前の話になりますから、どうして私たちがその後もKくんの診療を引き受けるようになったかは定かではありませんが、このとき既にKくんとのおつき合いも2年くらいになっていましたので、なんとかうちでできないものかということで、引き続きKくんの診療を続けることになったのだと思います。
もちろん、そのもとにあるのは、私たちが主宰する「GANBAくらぶ」のモットー”いつでもみんなのそばにいるよ”でした。
そして、これがふなびき歯科での発達障害児診療の第一歩となったのです。
私たちふなびき歯科での発達障害児診療は基本的に「写真カード」や「絵カード」を用いて行われています。
自閉症の患者さんの場合、見通しをつけてあげることが重要になるようです。「今日は歯医者に行くよ。」とか「歯みがきをしにいこうね。」とか絵カードにして診療を受けられる前にその日の予定を伝えておいていただけると診療への導入もスムーズに進みやすい様です。絵カードのいくつかは、ふなびき歯科のホームページの「絵カードダウンロード」からダウンロードできますのでご利用下さい。また、次回の診療予定を絵カードにしてお渡しすることも行っております。
当医院では、発達障害の方の理解のため、通常の問診票に加え、別途の問診票の記入をしていただいています。しかしそれだけでは、その方個人を理解するには十分でないと考えています。できれば、コミュニケーションブックを作っていただき、患者様ご本人の情報を患者様サイドから詳しくお伝え下さると診療がスムーズにすすみやすくなります。特にどんなことが好きで、どのようなことが苦手なのか?とか、どのようなご褒美が喜ぶとか、パニックが起こりそうな(起こり始める)状態はどういった具合だとかがわかれば嬉しいです。